【バント不要論】「得点期待値」と「得点価値」 セイバーメトリクス講座②

用語

セイバーメトリクス講座の2回目。
「得点」がとにかく重要なのは分かったが
ではその「得点」を獲る確率を上げるには、どうすればいいか。

得点期待値

定義

得点期待値
 →ある走者状況とアウトカウントからスタートして
    そのイニングが終わるまでに期待される得点数

あらゆる状況(アウトカウント、走者状況で24パターン)で
実際に何点入ったかを、膨大な試合データを分析し
統計学的に分析したもの。
つまり「この状況なら、平均〇点取れる」というデータの裏付け。

得点期待値表

では実際に24パターンの得点期待値を見てみる。
それが「得点期待値表」といわれるもの。

ランナー無死一死二死
無し0.4400.2330.087
一塁0.8070.4780.204
二塁1.0590.6820.305
三塁1.2910.9060.349
一二塁1.4120.8780.417
一三塁1.6841.1650.495
二三塁1.8881.3210.578
満塁2.0921.4540.758

満塁でも二死だと期待値はたった「0.758」
無死なら一塁でも期待値は「0.807」と
セイバーメトリクスの主張する「アウトを上げてはダメ」というのが立証されている。

バント不要論

ではここで、かの有名な論争を解説。
昨今流行の「バント不要論」について。
これも「得点期待値」から簡単に説明できる。

「無死一塁(0.807)」で犠打 → 「一死二塁(0.682)」
「無死一二塁(1.412)」で犠打 → 「一死二三塁(1.321)」

送りバントが定石なはずの状況で、得点期待値が下がってしまっている。

セイバーメトリクスにとって、送りバントという作戦は
 ①相手にアウトを無条件に献上し
 ②得点の確立を下げてしまう

という理由から、効果的な作戦とは考えられない。

得点価値

定義

送りバントの例でも分かるように、プレー前後の得点期待値を比べることで
そのプレーがどのくらい得点に寄与したかを計算することができる。
これが「得点価値」といわれるもの。

得点価値
 →「プレー後の得点期待値」-「プレー前の得点期待値」
                 +「そのプレーで入った得点」

例えば以下のように、全てのプレーの価値を計算できる。
無死満塁で本塁打 (0.440)-(2.092)+(4.0)=2.348点の価値
一死走者無しでヒット (0.478)-(0.233)=0.245点の価値
無死一塁で併殺打  (0.087)-(0.807)=-0.72点の価値

プレー毎の得点価値

これを「得点期待値」と同じように、膨大な試合数をもとに
統計的に分析すると、以下のようなプレー毎の得点価値が計算できる。

プレー得点価値
単打0.437
二塁打0.786
三塁打1.117
本塁打1.408
アウト-0.257
併殺打-0.746
三振-0.249
四球0.292
犠打-0.133

ここでも「アウトを与えるプレーはマイナス」ということが明白。
逆に四球は塁を奪う行為であり、単打の7割の価値があると考える。

まとめ

この「得点期待値」と「得点価値」は
セイバーメトリクスの基本となる重要な概念。
なぜ「アウトを与えるプレーは価値が低い」のかを
数字で明確に証明している。
ではこの得点価値の考え方をベースに、いよいよOPSなど
個別の統計数値についてみていく。

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